「今の光回線、なんとなく高い気がする。でも乗り換えって、また工事の立ち会いをして、ネットが使えない期間ができるんでしょ?」。そう思って見直しを先延ばしにしている人、実はかなり多いはずです。

朗報です。同じNTT回線網を使う光回線どうしなら、「事業者変更」という手続きで工事なし・ネット断なしで乗り換えられます。フレッツ光からの乗り換えなら「転用」という似た仕組みがあります。この記事では、2つの手続きの違いと流れ、つまずきやすい注意点を解説します。

事業者変更・転用とは:回線はそのまま、契約先だけ変える

工事なしで契約先だけ切り替わるイメージのイラスト

まず前提知識をひとつ。ドコモ光やソフトバンク光など多くの光回線は、実はNTTのフレッツ光回線を借りて提供されています。これを「光コラボ」と呼びます。つまり、物理的な回線は同じで、契約先の看板が違うだけの回線がたくさんあるのです。詳しくは光回線とは?仕組みの基本をどうぞ。

だから、同じNTT網の中での乗り換えは、回線工事が不要になります。手続きの名前は乗り換えの方向で変わります。

手続き名 乗り換えの方向
事業者変更 光コラボ → 別の光コラボ ドコモ光 → ソフトバンク光
転用 フレッツ光 → 光コラボ フレッツ光 → ドコモ光

どちらも工事なし・回線そのまま・ネットが使えない期間も基本なし。乗り換えのハードルは、想像よりずっと低いのです。

手続きの流れ:承諾番号を取って、新しい会社に申し込むだけ

事業者変更の流れは4ステップです。

  1. 今の回線会社に連絡して「事業者変更承諾番号」を発行してもらう(電話やWebで申請)
  2. 乗り換え先の光コラボに申し込み、承諾番号を伝える
  3. 切り替え日を待つ(申し込みから1〜2週間程度が目安)
  4. 切り替え完了。必要に応じてプロバイダのメール等の整理をする

転用の場合は、NTT東日本・西日本から「転用承諾番号」を取得する点が違うだけで、流れは同じです。

承諾番号はいわば「引っ越しの許可証」。これがあると電話番号(光電話)や回線設備を引き継いだまま、契約先だけを切り替えられます。

費用と期限:ここでつまずく人が多い

手続き自体はシンプルですが、お金と期限のルールは把握しておきましょう。

とくに注意したいのが15日の有効期限です。乗り換え先の多くは「有効期限が○日以上残っている番号」を求めるため、番号を取ったらすぐに乗り換え先へ申し込むのが鉄則。「とりあえず番号だけ取っておこう」と寝かせると、期限切れで二度手間になります。

解約金は2022年7月の法改正で月額料金相当が上限になりましたが、工事費の分割残債は別途請求されることがあります。損しないタイミングの見極めは解約金で損しない乗り換えタイミングで詳しく解説しています。

乗り換えても「速度が変わらない」ことがある理由

乗り換え前後の料金を比較して喜ぶ人のイラスト

正直な注意点をひとつ。事業者変更は同じNTT回線網の中での移動なので、物理的な回線速度の上限は変わりません。「乗り換えたら爆速になる」という期待は禁物です。

ただし、体感速度が変わることはあります。プロバイダの混雑状況や、IPv6(混雑を避ける新しい接続方式)への対応状況が事業者によって違うからです。夜の遅さに悩んでいる人は、乗り換え先がIPv6接続に対応しているかを必ず確認しましょう。仕組みはIPv6・v6プラスとは?でやさしく解説しています。

つまり事業者変更の主な目的は、①月額料金を下げる、②スマホとのセット割を効かせる、③IPv6対応で夜の混雑を改善する、の3つ。自分がどれを狙うのかをはっきりさせてから乗り換え先を選ぶと、失敗しません。

事業者変更の注意点チェックリスト

申し込み前に、次の5点を確認してください。

とくにプロバイダメールは盲点です。ネットバンキングや各種サービスの登録メールにしている場合、先にフリーメールへの変更を済ませておくと、乗り換え後に慌てません。

乗り換えに向くタイミングはいつ?

事業者変更は工事がないぶん身軽ですが、それでもタイミング次第で数千円〜数万円の差が出ます。狙い目は3つです。

まず、今の契約の更新月(解約金がかからない期間)。会員ページで自分の更新月を確認し、その月に切り替わるよう逆算して動くのが基本です。承諾番号の有効期限が15日なので、更新月の少し前に番号を取り、月内に切り替え完了させる段取りが理想です。

次に、工事費の分割払いが終わったあと。「工事費実質無料」の契約は、途中でやめると残債が一括請求される仕組みが多いため、残債ゼロのタイミングだと持ち出しが消えます。

最後に、乗り換え先のキャンペーンが手厚い時期。新生活シーズンなどは特典が強化されがちです。ただし特典のために解約金を払うと本末転倒なので、必ず「もらえる額-払う額」で判断してください。この計算をすれば、焦らず一番得な月を選べます。

よくある質問

Q. 事業者変更の間、ネットが使えない期間はありますか? A. 基本的にありません。切り替え日に自動で契約先が変わり、回線はそのまま使い続けられます。機器の設定変更が必要な場合はありますが、断線期間なしが原則です。

Q. 承諾番号の発行を今の会社に嫌がられませんか? A. 引き止めの案内(割引提案など)をされることはありますが、発行は正当な権利です。引き止め条件が良ければ残る判断もありですが、その場で決めず比較しましょう。

Q. NURO光やauひかりへの乗り換えも事業者変更でできますか? A. できません。NTT網とは別の独自回線を使うサービスへの乗り換えは、新規契約+開通工事が必要です。事業者変更が使えるのはNTT回線網(光コラボ)どうしの移動だけです。

Q. 費用は総額いくら見ておけばいいですか? A. 承諾番号の発行手数料と乗り換え先の事務手数料で6,000円台+今の契約の解約金・残債が目安です。乗り換え先のキャッシュバックで相殺できることも多いので、総額で計算しましょう。

まとめ:工事なしで乗り換えられる。狙いを決めて動こう

同じNTT回線網の光回線どうしなら、事業者変更(フレッツ光からは転用)で、工事なし・ネット断なしのまま契約先を変えられます。手順は「承諾番号を取る→15日以内に乗り換え先へ申し込む」だけ。費用は手数料6,000円台が目安で、料金や乗り換え特典で十分回収できる範囲です。

「工事が面倒だから」という乗り換えない理由は、光コラボ間ではもう存在しません。月額・セット割・IPv6対応の3つの狙いを決めて、重い腰を上げてみませんか。

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