回線の速度を測ってみたら「下り300Mbps」と出て、数字だけ見れば十分に速い。それなのにオンラインゲームだけは、相手の動きがカクッと飛んだり、撃ったはずの弾が当たらなかったりする。一人暮らしの部屋でゲームを楽しんでいる人なら、一度は感じたことがあると思います。
じつは、その「ラグ」の正体は速度そのものではなく、ping値(ピンち)と呼ばれる応答の速さであることが多いです。ダウンロードの速さとは別の指標で、ここが悪いとどれだけMbpsが高くても操作がもたつきます。この記事では、ping値とは何か、快適に遊べる目安はどのくらいか、そして自分の部屋でping値を下げるコツを順番に説明します。
ping値・応答速度とは何か

ping値は、自分の機器からゲームのサーバーへ「データを送って、返事が返ってくるまでの時間」をあらわす数字です。単位はms(ミリ秒)で、1msは1000分の1秒。数字が小さいほど反応が速く、快適という関係になります。
よく混同されるのが「速度(Mbps)」との違いです。速度は一度にどれだけ多くのデータを運べるかを示す「道路の広さ」のようなもの。対してping値は、返事が返ってくるまでの「往復のはやさ」です。動画を観るときは道路の広さが効きますが、コンマ数秒を争う対戦ゲームでは、この往復のはやさが勝敗を分けます。
オンラインゲームで快適なping値の目安
では、どのくらいなら快適に遊べるのか。ゲームの種類によって求められる水準は変わります。目安を表にまとめました。
| ping値の目安 | 体感 |
|---|---|
| 15ms以下 | 非常に快適。FPS・格闘ゲームでも有利 |
| 16〜30ms | 快適。多くのゲームで問題なし |
| 31〜50ms | ふつう。カジュアルなら気にならない |
| 51ms以上 | ラグを感じやすい。シビアな対戦は不利 |
FPSや格闘ゲームなど一瞬の操作が勝敗に直結するジャンルでは、15ms以下が理想とされています。一方、じっくり進めるRPGやターン制のゲームなら、50ms前後でもそれほど気になりません。光回線の平均ping値はおおむね15ms前後という測定結果もあり、対戦ゲームをやり込むなら光回線が有利になりやすいのはこのためです。自分の環境がどのくらいか知りたいときはネット回線の速度の測り方で測定サイトの使い方を紹介しています。
なお、ゲームの快適さにはping値だけでなくジッター(応答時間のばらつき)とパケットロス(データの欠け)も関わります。ping値が低くても、値が大きく揺れる(ジッターが大きい)と操作がガクガクしますし、データが途中で失われる(パケットロス)と一瞬固まったように感じます。この2つも安定した回線ほど小さくなり、Wi-Fiより有線接続で改善しやすい点はping値と同じです。パソコンなら、コマンドプロンプトやターミナルで「ping」に続けて接続先を打つと、応答時間と欠けの有無をその場で確かめられます。
ping値が悪くなる主な原因
ping値が高くなる(応答が遅くなる)背景には、いくつかの決まったパターンがあります。
- Wi-Fi(無線)でつないでいる:電波は有線より遅延が乗りやすい
- 回線の種類:モバイル回線やホームルーターは光回線より応答が遅めになりがち
- サーバーとの物理的な距離:海外サーバーは往復に時間がかかる
- ルーターや機器の混雑:同時にたくさんの機器がつながっていると遅くなる
とくに大きいのが1つ目です。同じ回線でも、Wi-Fiか有線かでping値は変わります。ホームルーターやポケット型と光回線で迷っている人は光回線とホームルーターの違いもあわせて読むと選びやすくなります。
一人暮らしの部屋でping値を下げるコツ

賃貸の部屋でも、ちょっとした工夫でping値は改善できます。いちばん効果が大きいのはWi-FiをやめてLANケーブルの有線接続にすることです。ゲーム機やパソコンをルーターに直接ケーブルでつなぐと、電波のゆらぎがなくなり、応答が安定します。やり方は有線LAN接続のつなぎ方で写真付きに近いイメージで説明しています。
有線が難しい場合でも、次のような対策で改善が見込めます。
- ルーターとゲーム機を近づけ、あいだに壁や家具をはさまない
- 混みにくい5GHzのWi-Fiにつなぐ(2.4GHzと5GHzの違い)
- ルーターを再起動して混雑をリセットする(再起動とリセットの違い)
- ダウンロードや動画視聴を同時にしない
これでも改善しないときは、回線そのものの応答が遅い可能性があります。ゲーム目的で回線を選び直すなら、光回線が有力な候補になります。詳しくは一人暮らしでゲームに向いた回線を参考にしてください。
まとめ
ping値は、データが往復するはやさをあらわす応答速度の指標です。速度(Mbps)がいくら高くても、ここが悪いとオンラインゲームはもたつきます。快適の目安は30ms以下、シビアな対戦なら15ms以下。改善のいちばんの近道はLANケーブルの有線接続で、それが難しければルーターとの距離や5GHzの活用で少しずつ良くできます。ゲームのラグに悩んでいる人は、まず自分のping値を測って、有線接続から試してみてください。
よくある質問
Q. 速度は速いのにping値だけ高いのはなぜですか?
速度(Mbps)とping値(ms)は別の指標だからです。速度は一度に運べるデータの量、ping値は往復にかかる時間をあらわします。道路が広くても信号待ちが長ければ到着は遅い、というイメージです。Wi-Fi接続や回線の種類が原因になっていることが多いです。
Q. Wi-Fiと有線でping値はどのくらい変わりますか?
機器や環境によりますが、有線にすると数ms〜十数ms下がることが多く、値も安定します。無線特有のゆらぎがなくなるためです。対戦ゲームをやり込むなら有線接続がおすすめです。
Q. ホームルーターやポケット型Wi-Fiではゲームは無理ですか?
無理ではありませんが、光回線よりping値が高めになりやすいのは事実です。カジュアルなゲームなら十分楽しめます。一瞬を争うFPSや格闘ゲームをやり込むなら、光回線のほうが安定します。
Q. ping値はどうやって測れますか?
回線速度の測定サイトの多くが、ダウンロード速度と一緒にping値(応答速度)も表示してくれます。測定は有線と無線の両方で試すと、自分の環境の差が分かります。